「ありがとうございました。」

想像と違う力強い声だった。

気づけば俺は、

「合格。」

そう言っていた。


「へ⁈」

1番驚いたのは、もちろん歌った本人。

「君の声、僕は好きだよ。」

ニコッと、俊が言う。

「佑月の曲歌うってことが一番いいよな。俺たちの歌で勝負するやついなかったし。」

桐生も、珍しく少し笑っていう。

「俺も、新垣さんに任せたいな。」

佑月が言って、俺も頷いていう。
「俺は新垣以外あり得ないと思う。」

「決まり!私はベースの、葉月美由!よろしく!」

今まで一言もしゃべらなかった、美由がニカッと笑いながら、新垣に、手を差し出した。

「よ、よろしくお願いします。」

男らしい容姿で私と言っている美由に少し驚いたらしい。

いつもは、俺様キャラだからだと思う。

「私は女だけど、バンドの時は、女を捨ててるのー☆」

sky flyには、女も男もファンがいてくれるが、女の子は美由のファンが多かったりする。

「ぁ、僕はキーボードの、池月俊。こっちはドラムの霧島桐生。」


俊が桐生の分まで話すのはいつも通りで。

「元ボーカル兼ギターの、藤本佑月!わからないことはなんでも聞いてね?」

弓月が自己紹介し、続いて俺が自己紹介。

「ギターの藤本薫。佑月の兄。ボーカルもたまにやってた。」