うん、ヴァンパイアっぽいのは、あたしと薫だけだね。


「ルナ、可愛い〜っ♡」

美由が抱きついてくるので、受け止める。

「美由、カッコいい!」

胸があるのにもかかわらず、いや、確実に大きいのにもかかわらず、男の子のような格好が似合うのはずるい。


「薫も、桐生も服装カッコい〜!」

薫は小さい子をあやすように、俊の頭を撫でながら、軽く微笑んだ。

「俊もカッコいいし、似合ってる。」

こんなのに騙されるのかと心配しつつ、見てみると、俊は目をキラキラさせて喜んでいた。

「ほんとっ?嬉しいな〜っ!」

俊は簡単に騙された。

「佑月?」

一人だけ、輪から外れたところにいる佑月に声を掛ける。

「ん?どうかした?」

そういいながら佑月は、軽く笑った。

「佑月こそ、どうかしたの?元気ないよ?」

「…バレちゃった?俺、必要ないのかなーって思っちゃったんだよね。」

佑月は、そう言って、それからあたしを押し出した。

「頑張っておいで。俺、ここで待ってるから。」