「持ってきました。」

次の日。
ルナは曲を持ってきた。歌詞付きで。

「夢と知りせば……。」

すごく、sky flyの今までの曲に似た、でも、全く違う曲だった。

「ルナ、すごいねぇ…。」

夢と知りせば…

「思いつつ 寝ればや人の 見えつらむ 夢と知りせば さめざらましを…。」

ルナは驚いた顔をした。

「知ってるんだ…!薫さん、知ってたんですねっ!」


「まぁ、薫は今、一流大学の4年生だもんね。」

「それ関係ないだろ。」

そういえば、誰もルナがどこの、学校に通っているのかも、どこに住んでるのかも知らない。

一応、両親が残した、馬鹿でかい屋敷に俺たち全員が住んでいるのだが……。

「ルナはどこに住んでるんだ?」

「海の近くですよ。」

海の近く、か。

「海辺の公園当たりかな?あの辺は、高級住宅地だよね。」

「そうですよ。」

海辺の公園からここまでは遠いと思うのだが…

「ならさ、僕らとここにすまない?」
俊がいい、桐生も頷く。

美由も笑って賛成し、佑月も、俺も賛成した。

「ありがとう、ございます!」