for U〜名のない歌〜



あたしたちは式場に向かって歩く。

今からあたしが歩くのはヴァージンロード。

パパと腕を組む。

うん、パパ、かっこいい。

そう思っていると、扉があいた。

奥で薫が待っている。

「パパ。あたし幸せだよ。」

小さな声でパパに言う。

少し驚いた顔をして、にこりと笑ってパパが言った。

「お前が幸せならそれが俺の幸せだ。」

薫が近くなってきた。

「薫くんに、ルネ…ルナを託しても大丈夫そうだな。」

パパは、そう言って、あたしの腕をほどいた。

「薫くん、後は任せた。」

「はい。」

あたしは、薫の腕に腕を絡めた。


そのまま、神父のところまで歩いて行く。