for U〜名のない歌〜


だから。

今は少しの別れ。
でも、

大きな別れ。

「幸せにならなかったら、帰ってきても家にいれないからな。」


「酷い!あの屋敷に住んでるの、パパと住み込みのメイドさんたちだけでしょ?」

部屋は有り余ってるじゃない、と付け加える。

「律と心の、残業部屋もあるぞ?また、律たちの、試作品はお前に送るし、ライブの衣装も作る.との伝言だ。」

パパの配慮じゃないんだ…。

でも、まぁ、嬉しいな。

それだけでも、律と心と繋がっている気がするから。

「新婦さん、準備はよろしいですか?」

また佑月が入ってくる。

あたしとパパは、少し笑って、

「はい。」

と言った。