「ごめんね、薫。ごめんね、みんな。」

「ルナ!」

薫が舞台から飛び降りる。

そして、あたしを思い切り抱きしめる。

「ルナが無事で良かったよ。ずっとそう言いたかった。」

「あたし、ずっと誰かを探してたの。記憶失ってても、誰かのことをずっと探してたの。でも、誰かわからなくて。さっきわかった、と思ったら記憶が戻ったみたい。」

あたしは記憶がなくてもずっとずっと、薫を探してたんだ。

薫と、佑月と、俊と、美由と、桐生のことを探してた。

なにか、わからなくて、泣きたくてでも泣けなかった日々を思い出す、


きっと知らないうちに涙は再開した時の嬉し涙のためにとっておこうとしたんだ。

だって、今あたしの目から涙が溢れてる。