for U〜名のない歌〜



それから、瞳を俺たちがひいて、ミカエルさんが歌ったり、

楽譜を交換して見たり、ルナが起きるのをずっと待っていた。



「ルネ遅いな…。」

流石に遅い。

「君たちに伝えておく。ルネは、本当は俺の娘じゃない。」

俺たちは全員唖然とする。

ルネは本当の娘じゃない?
でも、ミカエルさんの、綺麗な金髪と青い瞳は、ルネも受け継いでいる。

「ルネは本当は、弟の子供なんだ。ミッシェルの、子供。俺の姪なんだ。」

「そのこと、ルナは…」

俊が口を開く。

「知らない。話していない。これからも黙っているつもりだ。」

そう言って、俺たちに向き直る。

「本当のことを、聞いてもらえるかい?」

俺たちは頷いた。

ルナのことを、知りたい。