家の扉をノックする。

でかい家、

俺の家よりも大きいと思う。

まぁ、世界でも有名なCarmen社の社長宅だから、当たり前だろうか?

「はぁーい、あら、律か、心に用かしら?日本人だものね。」

日本人だものね、

そんな言葉で片付けられた気がした。

「ルネ、その人たちは俺の客だ。取引してる日本の財閥の当主と、その友達だよ。」

「まぁ、そうだったの?勘違いしてごめんなさい。どうぞ上がって。」

俺たちはルナについていく。

「あたしは、Runne・Carmenよろしくね。」

「…俺は、藤本薫。」

ルナは少し驚いた顔をした。

「薫…?」

そして、すぐに我に返って、

「素敵な名前ね。」

と言った。

なんだか、腑に落ちない。