「歌いたいなぁ、もう1個歌っていい?」

俺はなるべく笑顔で頷く。

♪笑顔で歩いていこう君のためならば
どんなことだって平気だよ

君が笑ってくれるなら
僕はなんだってできるよ
君がもし泣くなら
僕は君を助けたいんだ

君が笑顔でいるだけで
つまらない日々が
楽しくなってくるんだ

笑顔で歩いていこう
君のためならば僕は
なんだってできる気がするんだ
君が好きだから
薫、君が好きだから♪

薫…?

「薫…?」

「薫って徳で感化するって意味があるんだって!あと、いい香りって意味も!」

無邪気に笑うルネ。

心の奥底では薫君のことを断片的に覚えているんだろう。

「薫って響き好き。綺麗だよね。」

ルネはにこりと笑ってそう言った。