あれから、何事もなく、どうにかライブの日がやってきた。

sky fly〜名のない歌〜

この場に俺たちがいることによって、

俺たちのファンがいることによって、
成り立つんだ。

「ねぇ、今回の衣装のテーマは、また、吸血鬼でしょ?バンド☆ハンターの時みたいに自己紹介しながら入って行こうよ!」

俊がニコニコしながら言う。

正直、嫌だ。でも、ルナがニコニコしてるから、仕方ない。

「あの、sky flyさん、こんなものが届いているのですが。」

今までも、ライブ前に何かを届けてくれるファンがいたから、俺たちは何の疑いも持たずに受け取った。

「ルナ、開けていいぞ。」

「うんー。」

俺たちはチューニングをしつつ、衣装の確認をする。

「きゃぁぁぁ!」

ルナの悲鳴。

ルナから離れたところにダンボール。