「ルナ、穂高グループが黒幕って。」
「知ってるわ。」
薫に、そう告げて、心配そうな顔をしている薫にぎゅっと抱きつく。
「あたしは大丈夫だよ。」
薫は少し笑みをおとして、
「肩、震えてるぞ。」
とあたしをぎゅっと抱きしめ返した。
わかっていたとはいえやっぱり怖い。
なんであたしが、狙われてるのかもわからないし、
なんで、パパじゃなくてあたしが狙われるのかもわからない。
「ルナのことは俺が守るから。」
あたしは薫の暖かさにしばらく甘えることにした。
「…ありがと…薫。」
あたしのつぶやきはその場で弾けて消えた…。