for U〜名のない歌〜



「あたしも。きっと、みんなと歌えたら、そこが地獄だとしても、天国だよ。」

そういってルナは俺に思いっきり抱きついてきた。

今までなら、周りの目を気にして抱きしめてなんて来なかったのに。


「ルナ、薫にばっかりサービスしないでよね!」

美由がそう言って笑いかける。

「リア充爆発しろ。」

桐生が俺に笑顔で言う。

「嫉妬はみにくいよ☆桐生!」

俊も笑いながら言う。

やっぱり俺はこのメンバーが大好きだ。

このメンバー以外に、あり得ない。


「薫、歌いたいよ。」

「あぁ、俺もベース弾きてぇ。」

俺も、私も、僕もと、声が響く。


「じゃぁ、猛特訓だね。ルナ。歌、歌えなかったんでしょ?」

「ふふっ、歌ってたどころか新しい曲も作ってたわよ!」

佑月の言葉にルナはカバンからたくさんの楽譜を取り出した。