for U〜名のない歌〜


「もし、ルナちんがいくっていうなら、心はルナちんを全力で止める。」

「ボクも、ルナがいくっていうなら全力で止める。薫さんにも言われてるんだ。落ち着くまではルナをフランスにいるように見ていてくれって。」

いったん律が息を止めた。

「遠く離れてても、俺たちは仲間だろ?」

薫そっくりのでも、全く違う声。

律の声なのに、薫の声。

自然と目から雫が落ちた。

「ルナ?」

「ルネ、」

律の声とかぶるように、パパのこえ。

「社長!」

律と心にとってはパパは社長なんだっけ。
「ルネ、穂高グループのこと聞いたな?」

「聞いたわ。やっぱり、穂高グループが、犯人なんでしょう?」

「あぁ。穂高グループに、日本の警察は買収されていた。だから、何もできなかった。」

穂高グループだけならまだしも、穂高グループには、国会議員までたくさんいる。だからこそ、Carmen社を敵にまわすしか、なかったんだと思う。

「御堂律と覡心がいても、フランスにとどまれないか?」

「……うん。」


あたしは、愛する人と一緒にいたい。


「ならば、久しぶりに日本へいくとする。留美子の、ご両親に挨拶をしないとな。佑月くんが、帰るときに一緒に日本へ渡るとするが、御堂律と覡心は、どうする?」

「ここで仕事をしていてもよろしいですか?」

律がパパに問う。

パパはにっこりして、頷いた。

「もちろんだ。」