あたしはまた、部屋に閉じこもっていた。
「ルネ。」
「パパ、」
「御堂律と、覡心がきた。」
まだくる予定じゃなかったんじゃ…?
学校卒業した年の、9月にくるはずじゃ…?
「お前が心配だそうだ。」
「どこにいるの?」
「応接室だが。俺のビジネスの相手でもある。」
あたしは急いで、応接室へとかけていった。
そこにあたしの仲間がいるはずなんだ、
服飾部の、仲間が。
「律!心!」
そのドアを開けた先には、
「ルナ…!」
あたしの愛しい人の弟が立っていた。
「どうして佑月が…?律たちは?」
「律ちゃんも心ちゃんも、これから暮らすことになる部屋に、荷物を起きにいったよ。俺は、遊びにきた。」
遊びに…?
「薫、頑張ってたよ。俺にベースやらせたんだもん。あんなに大好きなベースをさ、俺に託したんだよ?今まで触らせもしなかったのに。美由だって、俊だってたまにかなしそうに笑うけど、頑張ってる。桐生はいつも通りだけどね。」
「いつも通りでいいのよ。」
あたしが原因で、人が悲しむなんていやだから。
「俺、今なら薫からルナを奪える気がするんだ。…ねぇ、ルナ、俺のこと、嫌い?」
「何いってんの。あたしは薫以外好きにならないわよ。」
あたしはそうやって言い切れる。
初めてだから人のことを好きになったのは。
「ははっ。やっぱ、薫には、勝てなかったかー!」
先ほどの迫ってきた時は違う態度に困惑しながらも、そーよ!って返す。