やってきた、対バンの日。

俺たちの前にはvivincrown。

日野原百合が、笑いかけてきた。

「あら、ルナさんはいないの?」


こいつ、分かって言ってやがる…

「勝負よ、sky fly。」

大声で叫んで日野原は、vivincrownの方へ向かった。

「hello!vivincrownです!それじゃぁいっくよーっ!」


大きな声で叫んだのは渚。

日野原はギターを、持ち上げた。

寧々も、スティックをもち、美優もベースを持つ。

そこから演奏が始まった。

そして、

「♪start!hi!hi!hi!hi!前を向いて進め!
高くjanpin!high!high!」


客席後方から声がした。

あの声は、もちろんチナツ。

でも、前にテレビで見たようなめちゃくちゃな音程じゃなくて、

聞きごこちのよい、でもはっきりした、声。

客の中にはいると、マイクを切って、
マイクを高く持ち上げて、歌い出した。

「♪君の目指す先はどこにある?
それは君にしか作れないでしょ
あたしたちに頼らず進み出してよ
怯えなくたっていい
泣いたっていいよ
だって、だって、だって、
あたしは味方だから

start!hi!hi!hi!hi!前を向いて進め!
高くjanpin!high!high!
悩むときだってあるだろうけど
前向きに進んでゆけ!」

そして、チナツは、舞台上へと進む。
にっこり笑ってる。

この笑顔、ルナに見せたかった。