【剣也side】
ゆきなと主役…。
正直、すげー嬉しかった。
もしかしたら、前みたいに仲になれるんじゃないか。
って勝手に想像してた。
だけど、現実はそんなに甘くなかった。
ゆきなは創とばっか話してるし、俺がその中に入れる訳もない。
創から、ゆきなはまだ俺のことが好きだと聞いたときは、飛び跳ねたいくらい嬉しかった。
だけど、俺が話しかけるといつもビクビクしてるから、余計話しかけにくくなるんだよな。
でも、創には負けたくねぇ。
「ねぇ、千葉」
「なんだよ」
沢田が突然話しかけてきた。
「まだ、ゆきなのこと好きなの?」
「はぁ!?」
「好きなの、嫌いなの」
「…好きだよ。ずっと好きだよ」
「だと思った」
なんだ、バレてたのか…。
「なら、劇の練習頑張って」
「なんでだよ」
「咲が、このままだったら赤ずきんとくっつけるの、創にしちゃうって」
まぢかよ…。
ってことは、俺はゆきなというかわいい赤ずきんと結ばれねーのか。
「だから、頑張って!ゆきなだって、千葉と結ばれたいって思ってる」
「…。俺だって、そうだよ。だけど、俺がゆきなに近づく資格なんか…」
「資格なんて関係ない!好きなら、とことん好きでいろ!頑張って、小さな兵士さん」
「あ、ああ」
小さな兵士か…。
頑張るしかねーよな。
絶対、ゆきなにつりあう男になる!!