強く…強く…

ボールがあたしの方に飛んでくる。いつもなら簡単に取れるのに…体がうまく反応しなくて避けるのが精一杯…

落ち着け…落ち着けと言い聞かすが胸の鼓動は止まらない



そしてとうとう避けきれずあたしの腕にボールが当たった…

やばっ…

ボールは下に落ちず上に上がったがあたしの体は動かず、ただただボールを見つめていた



もう…落ちる…


そう思ったとき誰かの手がボールの下に滑り込んだ




『ハァハァ…セーフ…』

そう言って微笑む萌がいた…



『も……え………』

一瞬何が起きたのか分からなかったが、男子の声援で助かったことが分かった


『舞ちゃん絶対勝とうね』

そう言ってあたしの前にボールを差し出した

ボールを持った瞬間嘘みたいに緊張は無くなっていた


タイムを見ると残り時間は10分を切っていた…