美香の指したとこには、傘の間に差し込まれた上靴…それを手にとって名前を確認すると、それは間違いなく萌の上靴だった…でももう片方がない

『酷い…』

美香が小さく呟く。あたしは、上靴についた汚れをはたき落とし、靴箱に戻した



しかし、探しても探してももう片方の上靴は見つからなかった。チャイムが鳴り、しょーがなく教室に戻ろうとしたとき、靴箱の隅にあるゴミ箱が目に入った。中には砂がたくさん入っている

考えるより先に体が動いた

『舞ちゃん!?』

あたしはそのゴミ箱をひっくり返した