空色ホイッスル




グラウンドに入ると、聞こえてきたのは大きな歓声とサッーと場内を吹き抜ける風の音。



目に入ってきたのはスタンド席にいる大勢の観客、キラキラと輝くみどりの芝生のピッチ。



そして白のユニフォームを着て、ピッチで練習を始めた蒼井高校の選手達。



その中でシュート練習をする一ノ瀬くんの後ろ姿を見つけた。



私たちの高校も軽くアップをすると、ボールを持ち始めて公式練習を始める。



本当だったらボール拾いの手伝いをしなきゃいけないけど、今日は制服でローファーでピッチに入れないから



スコアブックの書ける欄を埋めたり、タオルを畳み直したり、給水をすぐに出せるように準備してみんなが戻ってくるのを待つ。



そして公式練習が終わると、先生の前に集合をする。



「もう言うことはさっき言ったから、それを思い出せ。



今まで頑張った分のプレーは必ずこの試合で返ってくるから



自信を持って最後までプレーしてこい!」



「「はい!」」