「もしも「遅いっ!お母さんがスパイクに気付かなったら間違いなく圭馬はベンチだったじゃない!
準決勝でスパイク忘れてレギュラー外されるなんて恥ずかしいにも程があるわ!」
「…………」
電話口からキンキン響く母さんの声が聞こえてくる。
間違いなくかなりご立腹だ。
でも俺はすっごくホッとした。
これで試合に出られる!
そして耳を澄ましていると、母さんの声以外に場内アナウンスの音も聞こえてきた。
もう……会場にいる。
「はぁ……スタンド席にいるから取りに来なさい。
今すぐ必要なんでしょ?」
「あぁ、今すぐ行く」
俺は電話を切ると、ロッカールームを飛び出した。

