「理由はありません。部員のみんなにも恵まれてましたし、間宮先生が顧問で良かったと思ってます。
ただ、私がマネージャーに向いてないって思ったからです」
「吉岡、本当に考え直してくれないのか?今のサッカー部に間違いなくお前は必要だよ。
マネージャーに向いてないと言うならまだ後1年で自分が満足できるように続ければいいだろう。
でも……今のお前には休みが必要だろうな。
ここ最近、おかしいなとは何となく感じてた。笑顔もめっきり減ったし。
退部は認めないが、休部にしてやる。
必ず、必ず答えを変えて、サッカー部に戻ってこい」
「……失礼します」
私は先生の言葉には返事をせずに教官室を出た。
……受け取ってもらえなかった退部届を持って。

