私は一ノ瀬くんの言葉も聞かずに電話を切った。
止まった涙がまた溢れてくる。
涙って意外とそう簡単には枯れないんだなって思った。
その後も鳴り続けた一ノ瀬くんからの着信は全部出なかった。
「……これでいいんだ」
もう大好きなサッカーとはバイバイだ。
1年半だったけど、マネージャーができて良かった。
こういう形で辞めることになっちゃったけど、自分にできることは全てやったつもりだったからこれでいい。
いっぱい迷惑掛けちゃってごめんなさい。
今までお世話になりました。
私は部室の荷物を全て1つに袋にまとめると、部室を出た。

