「柚木、んなのどうでもいいから。
どうせ吉岡は一ノ瀬に俺達の情報渡してるんだろ?
だから俺達はそれで今年1度も試合に勝てないわけ。
一ノ瀬がフォワードに入ったどうこうじゃない!
お前が一ノ瀬に俺達の情報を横流しにしてスパイしてたからこんなに差が開いたんだよ!」
坂木先輩は私の後ろにある壁を思いっきり殴った。
こわいこわい……。
涙で視界がぼやける。
でもこれだけは絶対に先輩たちに伝えなきゃ。
「わたしは……わたしは、一ノ瀬くんにこの学校の情報を一切伝えたりしていません!」
私の言葉を信じて……。

