「祐ちゃん!」
私は大きな声で彼に向かって叫んだ。
まさか怪我とかしてないよね?大丈夫だよね?
主審のホイッスルで試合が中断されて、私は急いで救急バッグを掴んで
クーラーボックスからアイシング用の氷を出した。
他のベンチのみんなも祐ちゃんの方を見つめながら心配している。
相手校の選手は足を両手で押さえたまま、起き上がる様子はない。
そんな状態を見た救護班の人たちは担架を持ってピッチに入る。
「岩槻!雨宮の代わりに入る準備しろ!」
間宮先生からも交代準備の指示が出た。
嘘でしょ……。祐ちゃん、ここで終わりなの?
みんなとの目標達成はもう目の前まで迫ってるんだよ?

