海の匂いと一緒に吹き渡る優しい風。
ときどき聞こえてくるかもめの鳴き声。
上を見ると羽を大きく広げて飛んでいるのが見える。
永遠に止まることを知らない波の音。
これらを感じて海に来たことがやっと実感できた。
ちょっと冷たい海水に着ているワンピースに気を付けながら足だけを入れて一ノ瀬くんの後を着いて行く。
だけど……左足に何かが巻き付いた感触がした。
「キャッ!」
飛び上がりそうになっていったい何が付いたの?と思っていると、私の声を聞いた一ノ瀬くんが振り返って
私のところまで来てくれて「どうしたの?」と心配してくれた。
「あ、足に何かついてる……」

