普段の俺は絶対こんなことしないけど “芽衣だから、してあげたい” って思ってしまう。 「優しくないよ。 他の奴からそんなこと言われたことねぇし」 俺は吊り革を掴んでそう答えた。 「そーなの?私は優しいと思うけどなぁ」 みんなはこんなに優しい一ノ瀬くんを知らないんだねと続けてそう言う芽衣に いつもは俺のペースで芽衣を引き込むのに ……今日は芽衣に圧倒されて全然いつものようにいかなかった。 それから目的地の最寄駅に着くまで他愛のない話をいっぱいしながら時間を過ごした。