「一ノ瀬くん、ごめんね! お待たせしました!」 芽衣は急かせかしながら改札を通って俺の前に来た。 「…………」 いや、これはやばいでしょ。 いつもジャージ姿か制服しか見たことなかったから私服が新鮮な感じがする。 芽衣のワンピース姿を見てこんな服をいつも着てるんだって思った。 「一ノ瀬くん?」 俺の顔を覗いてくる芽衣。 「あー、ごめん。じゃあ、行こっか?」 「うん!」 俺たちはプラットフォームへ続く階段を上って、ちょうど来た電車に乗った。