足が止まった。
もう足が重くて、怖くて動かない。
なんでライトが全然ここにはないの?と八つ当たりをしたくなる。
「あれ?芽衣は?
……いたっ!」
隣にいないのに気付いた一ノ瀬くんが後ろを振り向いて私のところに戻ってきてくれた。
「怖かった?そんなに怖いなら俺のこと呼べば良かったのに。
さっきみたいに手を繋げば歩ける?」
優しく声を掛けてくれる一ノ瀬くんに私はコクンと頷く。
一ノ瀬くんの手があったかくて、大きくて安心する。
私はその手をぎゅっと握った。
「ごめんね、一ノ瀬くんありがとう」
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