は、恥ずかしすぎる。
一ノ瀬くんの友達もいたのに、私はいつまで彼の手を握ってたんだろう。
明るかったから、絶対私の顔は真っ赤だったよ。
心底ここが暗くて良かったと思う。
「七瀬ー!」
とちょっと怒った声で呼ぶ一ノ瀬くん。
「悪い悪い!」
「あの私、一ノ瀬くんと付き合ってないです。一ノ瀬くんとは仲の良い友達です。
だから私は……一ノ瀬くんから蒼井高校の弱点を聞いたりするようなスパイみたいなこともしてませんし
私も一ノ瀬くんには私の学校のことも言ってません……」
七瀬くんに、私たちのことを疑ってほしくなかった。
ただ、それだけだった。

