「今から見せる子のこと、絶対興味持たないって言える?」
一ノ瀬くんは声色を変えてそう言った。
その声はいつもより低くて、真剣な感じがした。
「あぁ、だから早く見して!!」
「仕方ねぇな」
芽衣おいでと私に向けるいつもの優しい声で呼ばれて、握っていた手が前に引っ張られた。
私が前に出た瞬間、目の前にいる男の子、七瀬くんは私と一ノ瀬くんに向かって携帯のライトで当ててくる。
「わー!これで全部の辻褄が合った。一番最初に急に試合が終わった後にどっか行ったのは
……咲坂高校と試合した後だし。
ねぇ、咲坂のマネージャーさん。その次の週って俺たちの試合観に来てた?」
なんか尋問されてて怖いけど、私は正直に「はい」と返事をした。

