空色ホイッスル




「そうだね、これ合宿所出た所じゃ明るくてこんなに見えないんだよ。



1日目、みんなと自由時間過ごしてて飽きて、外に出たけどあんまり見られなかった。



それで暗いところに行けばこんな空気のきれいな所だし見れるかなと思って



1人じゃ怖いから芽衣も連れてきちゃった」



一ノ瀬くんの表情は暗くて見えないけど、きっと笑っているんだと思う。



だってそんなオーラが出てる気がするから。



「連れてきてくれてありがとう、私プラネタリウムでは見たことあったけど



実際にこんなにたくさんの星を見たのは初めてだよ……」



怖いけど、ここに来て本当に良かった。



自主勉強の前の入浴時間のとき、泣かず我慢したからこうやって一ノ瀬くんと一緒に見れたのかなってちょっと思った。



それから星空を指差しながら、あれの色が違う星さそり座だよね?とか



あの星とあの星とあの星を繋げたら夏の大三角になるよね?と話しながら2人で話していた。



すると、後ろから「誰かいるのか?」という男の子の声が聞こえた。