むりむり。怖すぎて行けないよ。
私は一ノ瀬くんの手を離れないようにぎゅっと握る。
さっきのドキドキじゃないドキドキが心臓の鼓動を速くする。
「待って待って!ここ学校じゃなくて山の中なんだよ?
熊とかでてきたらどうするの?私たち絶対食べられちゃうよ……」
合宿所に戻ろうよ!と一ノ瀬くんに必死に訴える。
「ハハッ!それで急に握ってきたんだ。
大丈夫だよ、俺がいるから。グラウンドに着いたら良いもの見せてあげるから
もうちょっと我慢して?」
一ノ瀬くんは私の頭をもう片方の手で撫でて私をなだめた。
その頃にはもう走るのを止めて、私の歩幅に合わせて歩いてくれていてグラウンドに向かって一歩一歩進んでいた。

