「じゃあこう言えばいいかな?俺は幼稚園からずっとサッカーをやってきたけど、ポジションは毎回フォワードだった」
「え……でも高校入ってからは1年間ディフェンダーだったよね?」
「でも、今の俺はまたフォワードに戻った」
ということは、一ノ瀬くんはそれまでのサッカー経験の中で……
ディフェンダーの経験もなかった。
それなのにレギュラーとは行かなくてもちょこちょこディフェンダーとして試合は出ていた。
それなのに今年はフォワードの先輩を落としてまでレギュラーを勝ち取った。
なんかヒントを聞いたら……
「余計に分からなくなっちゃったよ!」
「それがねらいだからね!もうヒントなんか思いつかないし、いつペロっと話しちゃうか分からないからここまで。また今度な!」
電話を切ろうとする一ノ瀬くんにちょっと待って!って頼んでみたけど、「もっと考えて」と言われるだけで教えてくれることはなかった。
そして、合宿に行ったら直に聞きに行こうと決めた私は「おやすみ」と一ノ瀬くんに言って電話を切った。

