俺にだけ、笑ってよって言いたい。



だけど、今の俺にはそんなこと言う資格なんてどこにもない。



やっと芽衣に俺の存在を知ってもらって、顔見知りの友達になれたばっかりだから。



アイツも芽衣のことが好きなのか?



そしたら、アイツの方がきっとあんなことができるのだから、期間は長いんだろうし



間違いなく芽衣のそばに俺より近くにいれて有利だろう。



でも……負けたくない。



湧きあがってきた気持ちはこれだけだった。



アイツの今の位置、必ず俺が奪ってみせる。



俺は、結局芽衣に声をかけずにそのまま七瀬と一緒に地元に帰った。