気付いたら知らない男と寝ていた事もある。
気持ち悪くて吐き、恐怖と嫌悪感で涙が止まらなかった。
腕は散々切られてぼろぼろ。痛い麻酔を打たれ、縫われ、抜糸まで水につけてはいけない。
時にこの腕が酷く汚くて、必死に傷痕を消そうと擦る事もある。
他人格が罪を犯せば、それは全て基本の罪になる。罰せられるのは他人格ではなく、基本。

やがて彼らは統合してゆく。
一人、また一人と減る。
長年共に時間を過ごしてきた彼ら。人によって違うが、僕はどうしても愛執がついてしまい、統合されると泣く。主となった人格も泣く。
彼らは全く人間と変わり無い。