会津藩預かり
京都守護職『新選組』


幕末に活躍した武装集団
浅葱色の羽織と誠の旗印


七瀬と御草でもよく知っている
あまりにも有名な集団だ



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ドン、と太鼓の音が響いた
それに飛び起きた御草は鼓動を高鳴らせて辺りを見回した


隣の布団で寝息をたてる七瀬と見慣れない畳の部屋
自身の部屋ではなかった


ため息をついて御草はいまだに寝ている七瀬を見た


御草が知っているいつもの七瀬だ
それは変わりようがないのに、酷く不安に感じた


それはきっと、昨日の出来事のせいだろう


殺されかけた
そして、七瀬は殺した


御草はただ、助けられた


目の前を裂いた白刃が目に焼き付いている
七瀬が襟首を引いてくれなければ御草が死んでいた


「浅葱」


朝を告げる太鼓の音を聞きながら御草は七瀬を揺すり起こした