近藤勇はふと微笑む


「いいだろう。少し若いが、君達を新選組隊士として迎え入れよう」

「……近藤さん」

「歳、ここは私に任せてくれ」

「………」


渋々と言ったふうに土方は目を伏せた
沖田は面白そうに刀を下げる


「近藤さんがそういうなら私はかまいませんよ」


近藤は力強く七瀬と御草を見据えた


「君達の話、取り敢えずは信じよう。しかし、新選組に不利益になるようなことをするなら我々が処断する。いいね?」


七瀬は迷いなく頷いた


「はい」



*******



「近藤さん……芹沢の事だが」


土方は苛立たしげに煙管を口元に持っていく
近藤はため息混じりに呟く


「外には漏れていないはずなんだがなぁ」

「あいつら臭うぜ……それを隊士にしちまうなんて」

「ははっ、ただの思いつきではないさ。総司が彼の断ち筋は中々だったと言っていた。それに……」


御草と名乗った少年は土方に刀を向けられて明らかに竦んでいた
だが……


「あの七瀬という少年。彼は歳が向けた刀に怯えた様子はなかった。その状況であれだけの事を言ってのける度胸は見所があると思ってな」