口角がつり上がる。

白黒反転の瞳が笑う。

根拠もなく怖くなって走り出す女子生徒を、狂子は歩いて追いかける。

女子生徒は全速力で走っているのに、どんなに走っても、狂子は簡単に歩いて追いついてくるのだ。

そして言うのだ。

「貴女の食道は健康?」

続けて狂子は言う。

「肺は綺麗?煙草なんて喫っていない?腸は?毎日お通じはある?心臓は?血液ドロドロになっていない?」

狂子は破顔する。

「健康な肉体じゃないと、魂は美味しくないからね」