イナズマ

俺達は、カフェに入る。


先生は、俺の唇ばかり気にしている。


「他の先生や生徒が来たら?」


俺は、言う。

いつも気にしている人の目を今日の先生は気にしていないから。


「寄り道して、おまけにバイクまで乗っていた生徒を補導指導していることにする。」


先生は、そう言って、カバンからハンカチを取り出して、俺の口元にあてる。


もう血は乾いているけれども。

先生の香水の匂いがして、気分がよかった。