イナズマ

女性の服の店や靴のブランド、バッグが並んでいるところにグレーのスーツを着た先生が、歩いている。


俺は、先生が歩いているところの少し先に、バイクを歩道側に寄せる。


「先生」


俺が声をかけると、しょうがない子ね・・・と言わんばかりの顔で俺に近づく。


先生は、俺の頭を小突く。



そして、俺の口元を見て、驚く。



「切れてるじゃないの?」


先生は、片手で俺の頬を掴む。

俺はたこみたいな口になる。

俺は、話すこともできない。

口元を思いっきり先生に掴まれているから。