イナズマ

俺は、両手をポケットに突っ込んで、いつもの教室の一番後ろの席にどっかり座っていた。


ふと、人の気配を感じて、横を見ると、
怜奈が俺の真横に立っていた。



別に怜奈は俺に言葉をかけない。



俺はゆっくり怜奈の顔を見る。





怜奈は、すっと自分のハンカチを俺に差し出した。

きっと、殴られて血が出た口をこのハンカチを使って拭いて・・・言葉はないが、多分そういう意味であろう。


差し出されたハンカチを俺はちらりと見て、そのまま怜奈の顔を見る。