イナズマ

職員室から出て、俺は教室に向かった。


今日は、唇が切れていて、痛い。

顔中ひりひりするのだ。



颯太は、トイレに行ったみたいだ。
颯太は、目もやられていて、水で冷やしたいのだろう。


すみれ先生は、まだ職員室にいたなぁ・・・。

先生は何をしているのだろうか?


もうすぐある遠足の準備でもしているのかな?



そんなことを俺は、ぼんやり考えながら、
切れた唇を親指で抑えていた。

10月の夕方。


柔らかい風が心地よかった。


先生のマンションで先生に頭をなでられるあの感覚に似ている。