イナズマ

海翔の表情は緩んで、海翔はそのハンカチを手に取った。


怜奈のハンカチを受け取るのだろうか?


俺は、固唾を飲んで見守った。



海翔は怜奈の手をもって、そのままハンカチを手に握らせた。


海翔は柔らかい表情をしていた。


俺が見たことのない柔らかい表情だった。

でも、怜奈は、『どうして?受け取ってくれないの?』という表情をしながら、すぐさま窓の外を見た海翔の横顔を見つめていた。


何かを見つけた海翔は、柔らかい表情を一転させて、真剣な顔になり、そのまま慌てて席を立ち、教室を走って出て行った。