イナズマ

「クラブで声かけてきた時は、私の露出度の高い服装がいいって言ってきたくせに」

玄関で、俺がスニーカーの靴ひもを結んでいる間、先生は立って、

鍵の付いたキーホルダーを人差指にひっかけて、クルクル回しながら言う。


「俺の女になったら、別」


クスっと笑うすみれ先生。

照れているんだ。

最近、すみれ先生の笑い方には2種類あることが分かってきた。


豪快に笑うときは、マジでウケている時。

クスっと笑うときは、はにかんだり、照れている時。

俺はどちらとも好き。


『俺の女ねぇ・・・』そう言いながら、マンションの鍵を閉める。


俺の女というフレーズがよかったみたいだ。