イナズマ

「ちょっと」



そう言って、旧校舎の元ボクシング部の部室に行く俺を引きとめたのは、怜奈だ。


「うん?」



「先生と付き合っているの?」


「だったら?」


「ばれたらどうするの?」


怜奈はきついい方で俺に言う。

「今のところ知っているのは、お前と颯太だけだけど。というか、なんで知ってるんだ?」


俺は、怜奈の指を見た。

結構いい線をいっている指じゃないか。

すみれ先生には負けるけれども。