颯太は後ろを向きながら、首をかしげている。

迷っているんだ。


俺は、合図を出す。

「はっくしょんしょた」


くしゃみを大きくした。


おまけに名前まで付けた。

これで分からなかったら、バカだぞ・・・颯太。



あからさまなやり方だが、学級委員はもう疲れてきているのか、俺に注意をしてこなかった。

男子も何も言わなかった。


ジロリと怜奈は俺をにらみ付けてきた。


ゆっくり颯太は、振り向いたが、怜奈はまだ俺を見ていた。