イナズマ

松吉だった。


松吉は俺がこの曲で振り向くなんて思ってもみなかったのだろう?



俺が振り向いた瞬間、顔がこわばっていた。

俺は静かに松吉の横に行く。


まだ、曲が流れている間、すみれ先生を見ていた。


さすがに、怜奈じゃなくても、行きも帰りも隣の席になる女子が一緒だったら、妬いてくれるかな?


たとえ、女子の中で1番ブスの松吉でも。


そのまま、松吉の曲は終わっていった。


男子は、誰が流した曲かを振り向いて確かめる。



「はははは」


大爆笑の渦に巻き込まれる。


小さな声だが『、門田・・・ご愁傷さま』と聞こえる。


その声を松吉はキャッチしたのか、あからさまに嫌な顔をする。