イナズマ

「それならよかった」

俺は落ち込みながら言った。


俺の落ち込んだ声のトーンに怜奈は気付いたみたいだ。


「それに、海翔には選ばれなかったの。海翔は松吉さんを選んだ・・・」


やっと、俺を見て、怜奈は微笑んだ。


怜奈を選ばなかった男は、普通の男ではないと思ってはいた。

やはり普通の男ではなく、海翔だった。

海翔は、俺のために怜奈を選ばなかったんだろう。


海翔だって、松吉なんかとペアになりたくなかっただろうが。

「そっか」


俺は、そっか・・・しか言えなかった。

俺のボキャブラリーは貧弱だ。