イナズマ

「だったら、なおさら」


俺は、答えた。


「彼女いるの?」

前を向く気配もなく、その女子は聞いてくる。

「だったとしたら?」

「あんたと話していると、疲れる。なんで文章で返事しないのよ」

吐き捨てるように女子は言って、前を向いた。


彼女がいるとか、怜奈の好きな人とか、お前には全然関係ない話しなんだ。

やっと前を向いてくれてほっと俺は安心した。

そんなくだらないやり取りをしている間に、2組のペアが完成し、3人の男子がペアになれず、廊下に戻っていった。