イナズマ

怜奈だった。



そして、俺の曲の流す時間は終わった。



松吉は、にっこり怜奈に微笑みかけていた。


俺が選ぶのは怜奈だと思ったのだろう。

怜奈・・・ここで振り向くところじゃないだろう。

怜奈も『やってしまった』というような顔をした。
昨日のハンカチのことがあるからな・・・。




女子はみんな振りかえる。

「女を誘う曲だと思った・・・」

女子の一人が言った。


「それでは、選ばれる2人は、背を向けてください。門田(もんでん)くんは、ペアになりたい人の肩をポンポンと叩いてください」

俺はもう一度先生を見た。